史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学を読了したので、どういう方におすすめか、どういう勉強をするのがよいと感じたかを僭越ながらレビューさせていただきます。
【総合評価】:とても良い
【難易度】:易
【対象レベル層】:統計検定2級6割レベルの知識があり、条件付き確率を高校で習った事はあるけどそのあとはよくわからない人
という感じです。この本では具体的な例をふんだんに用いることで、条件付き確率という概念さえ分かっていれば、ベイズ統計学に対するイメージが付けられます。そういう意味では数学的背景のない方の初学の題材としては良いものであったと考えられます。
ただし、基本的にこの本は既存の統計学とベイズ統計学の差についてひたすら綴られ、最後にベイズ統計学の入り口を覗くことができるという編成になっているため、既存の統計学、せめて正規分布とは何か、有意水準、検定、と言った言葉は最低限理解してから臨むと良いと思いました。
そういった意味では、
1.数学的な背景を必要としない
2.ある程度の既存の統計学についての理解がある
という2点において、統計検定2級の勉強が一通り終わったこの段階でこの本を勉強できたのは自分にとって良いタイミングで勉強できたかなと思います。
逆に、ベイズ統計学をある程度学んだことのある人、具体例から概念の理解をするのではなく、もっと抽象的に数学的な厳密性を持った議論をしたい方には違う本で、勉強した方が良いのかなという印象を持ちました。
またこの本ではベイズ統計学の入り口の概念理解をするに留まるもので、その先の学習(階層ベイズモデル、MCMC)などの勉強をしたい人はまたさらに違う書籍で加えて勉強をする必要があります。これ1冊で統計検定準1級のベイズ統計学を学習できるものではないということをひとこと添えておきます。
とはいえ、新しく学ぶ概念に対し、やさしい具体例からイメージをもって入れるということは今後の学習に間違いなく生きてくると思うので今回買った上で学習してよかったと思います。引き続きの勉強についてはまた今度。