Syleir’s note

2020.4.1より統計検定やE資格の勉強の進捗を報告しています。統計検定準1級、E資格、G検定取得しました!当ブログへのリンクはご自由にどうぞ。

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統計検定2級の勉強について

統計検定2級の受験の対策として挙げられるのが以下の2冊かなと思います。 

 

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)

  • 発売日: 1991/07/09
  • メディア: 単行本
 

 

 

今日はよく統計検定2級対策で用いられる、この2冊の比較について書いていきたいと思います。 

 

上は通称「赤本」東京大学教養学部統計学教室から出ているもので非常に体系的に整理されています。統計学とは?から始まり、仮説検定、回帰分析までを扱っています。統計学を体系的に学びたい人にはとてもおすすめできるのですが、統計検定2級の対策と思うとやや難ありです。あくまでこの本は「統計学」を学びたい人のために作ってあるため、「統計検定2級」を学ぶのにはやや向かないところがあります。

例えば、標本抽出法の話では、統計検定出題範囲表では「層化抽出法」「クラスター抽出法」「多段抽出法」などが出題範囲とされていますが、一切触れられていません。また実験計画の話もなく「フィッシャーの三原則」についても触れられていないです。また、非常に厄介なのが、赤本では「分散分析」の話が一切なく、分散分析モデルを勉強しようと思った時に自然科学の統計学 (基礎統計学)を参照しなければなりません。2次元正規分布とかの話もたぶんそうです。統計検定で出題される細かい用語についても他にも一部ないものがありそうです(幹葉図とか)。おそらく赤本で網羅できるのが過去問だと8割くらいなので、赤本だけで勉強しようという人はちゃんと読み込んでから、過去問にあたってない範囲を適宜調べる作業が必要になるかと思います。

 

対して、下の「公式本」では「日本統計学会公式認定 統計検定2級対応」と書いてあるだけあって、全ての出題範囲の用語が網羅されています。そして赤本ほどじゃないにしろ比較的体系的な印象がありました。Amazonのレビューではボロクソ書かれてましたが。これはおそらく統計検定2級の性質上、「理解していなくても暗記で受かってしまう」という事情によるもので、「公式本」を通してやるのはややオーバーワークになるからでしょうか、、

統計検定2級合格だけを目標にするならこの本の書いてあることを全て理解する必要はないというのは(おそらく)事実で、過去問と色々なサイトを当たれば良いのは多分そうなんですが、、

自分は最初からサイトで勉強するのは断片的にしか知識が入れられなくて難しい人間なので、「公式本」のような網羅的に全てをそこそこの厳密性を持って書いてくれているのは助かりました。

 

じゃあ万人に「公式本」を推奨するか、と言われたらそうではありません。「赤本」で統計検定2級の勉強を推奨する人がいて、それは「将来統計検定準1級の受検を考えている方」です。統計検定準1級を受ける時、2級における「公式本」のような準1級の範囲を全範囲網羅している本はありません(非常に残念なことですが、、)。よってある程度色々な本からつまみ食いしながら勉強することになるのですが、その時に使えるのが先ほども紹介した自然科学の統計学 (基礎統計学)です(以降青本)。

 

自然科学の統計学 (基礎統計学)

自然科学の統計学 (基礎統計学)

  • 発売日: 1992/08/01
  • メディア: 単行本
 

 この本は同じく東京大学教養学部統計学学会から出ているもので、「赤本」の続きになります。(ちなみに結構難しい、、)

ですから、「赤本」の内容は前提として書かれていますし、「赤本」は履修済みという扱いになっています。したがって、統計検定準1級を目指すとなったとき、「青本」を勉強する際、あらためて「赤本」から取り組むよりは(自分はこのパターンですが)、2級を勉強する段階で「赤本」を終わらせてしまった方が効率的ということになります。

 

以上まとめるとこの2冊のレビューとしては、

2級だけを目指すなら「公式本」

準1級も目指すなら「赤本」

という感じです。参考になることを祈ってます。